2021年8月20日
新型コロナウイルス感染が収束の様子が全く見通せない中、先日、新型コロナ感染妊婦さんの受け
入れ先がなく、やむなく自宅で出産してお子さんが亡くなってしまうという痛ましいニュースが
ありました。
このような事がなるべく未然に防げるよう、以下のメッセージが出されたので掲載します。
令和3年 8 月 14 日
妊産婦のみなさまへ
日本産科婦人科学会 木村正
日本産婦人科医会 木下勝之
日本産婦人科感染症学会 山田秀人
―新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて(第 2 報)―
昨今、新型コロナウイルスが若年者を中心に急速に感染拡大し、多くの妊婦さんの感染も確認され
ています。一方で、新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンは、高齢者に限らず基礎
疾患を持つ者、それ以外の者へと順次拡大されております。
① アメリカ疾病対策センター(CDC)は妊婦さんへのワクチン接種を強く推奨する声明を出してい
ます。わが国においても、妊婦さんは時期を問わずワクチンを接種することをお勧めします。
② 妊婦が感染する場合の約8割は、夫やパートナーからの感染です。
そこで、妊婦の夫またはパートナーの方は、ワクチンを接種することをお願いします。
1. 妊娠中、特に妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると、重症化しやすいとされています。
2. 全国的に感染地域が拡大し、感染の多い地域では感染拡大が過去にない拡大となっています。
そのような地域にお住まいの方や、糖尿病、高血圧、気管支喘息などの基礎疾患を合併している
方は、ぜひ接種をご検討ください。
3. 副反応に関し、妊婦さんと一般の人に差はありませんが、発熱した場合には早めに解熱剤を服用
するようにしてください。アセトアミノフェンは内服していただいて問題ありませんので頭痛が
ある場合も内服してください。
4. 副反応の有無にかかわらず、妊娠の異常(流産、早産、その他)の頻度はワクチンを打たなかっ
た妊婦と同じであると報告されています。なお、接種を希望される場合は、以下の点にご留意
ください。
⚫新型コロナワクチン接種の予診票には、「現在妊娠している可能性はありますか。または授乳中
ですか。」という質問がありますので、「はい」にチェックし、あらかじめ健診先の医師に接種
の相談をしておきましょう。接種してよいと言われていれば、その旨を接種会場の問診医に伝え
て、接種を受けてください。
⚫ 妊娠中の方は、里帰り先の住民票と異なる居住地の産科医療施設で接種を受ける場合「住所地外
接種届」の提出は不要です(接種場所により届け出が必要になることもあるので、里帰り先の行
政機関にお問い合わせください)。
⚫ 予定された 2 回のワクチンを接種しても、これまでと同様に感染予防策(適切なマスク使用、
手洗い、人込みを避けるなど)は続けてください。